日曜日。小言。

毎週日曜は親父がスーパーでちょっと良いものを買ってきてはみんなで晩ご飯を食べるのがいつの日か恒例になっていた。寒くなってきたのでこれからは鍋ばかりだろう。

そんな今日も鍋をつつきながら家族でたわいもない話をする。

 

ふいに昔のビデオを観ようと母が言った。久しぶりに観る。姉と自分と弟。いくつかあるうちから一つのDVDを再生する。

映っていたのは自分が幼稚園の頃のもの。当時住んでいた家は今よりもずっと狭い。こんな狭かったっけ、なんて思った。映っていた3人の子供はとっても楽しそうに遊んでいた。兄弟喧嘩はほぼした事がない。

 

当時親父の収入はかなり低かった、らしい。勤めてた所が倒産し仕事が不安定だった。家族5人を養う金はいくらくらいだろうか。今聞くとマジでびっくりするくらい少ない収入だった。

自分は貧乏だったという自覚がなかった。多分、両親は優先順位の1番を家族に当てていたんだと思う。2人が何かの趣味をしていた姿は記憶にない。

 

水族館に行っている様子がビデオに映った。服はほぼ同じやつのローテーションだった。母は自分と弟の服を見て「めちゃめちゃ覚えてるこの服」なんて呟いた。少し泣いてた。

 

親父はなんだかんだ今の仕事について今の家を買った。今住んでる家は大きい。友達の家に遊びに行っても正直自分より大きい家はあんまりみない。自分の部屋だってある。立派なもんだ。

両親に感謝。照れ臭いからあんまりしないけど。感謝もそうだけど尊敬もあるかな。

 

自分もいつか家庭を持ったりするのかな。あんまし想像できないけど。

そういう幸せも、悪くないのかも。